セゾン投信の解約増加「残念です」な場合ではない

セゾン投信の11月のNEWS LETTERが掲載されたのだが、気になる記載があった。
「上昇相場で残念な現象が」と表して、解約増加を伝えているのだ。「最高値を更新し ていたのを待っていたかの如き、一斉解約」「りかく」と表現されているのだが、理解半分、違和感半分というのが、正直な印象である。

確かに評価額が最高値となれば、株価の高騰に警戒を鳴らす指摘もでている中、解約が増加するのは、ごもっともなのだが、私の抱く違和感は「はたしてそれだけの理由なのだろうか」ということだ。
セゾン投信の両ファンドは、株価高騰によって最高値を更新したが、基準価格が飛び抜けて跳ね上がったわけではない。2015年など過去に何度もあった程度の上昇率だ。

ようするに、利益確保の以外の解約理由があって、それはもしかしたら、セゾン投信から他の投信への乗り換え組がいるのではないだろうか。という想像である。
バッサリ言ってしまえば、セゾン投信のファンドより良いと判断したファンドへ資金流出が始まっているのではないだろうか。

「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は今や低コストではない。さらなる低コストのファンドが次々と誕生し、ついにVTに投資する「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が出てきてしまった。セゾン投信は、つみたてNISAへの取り組みを全面に出しているが、大手ネット証券の取り扱いファンド数・ポイント還元などのサービス面では勝てない。そういった理由が解約増加に繋がっているのではないかと思う。

セゾン投信の両ファンド「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」「セゾン資産形成の達人ファンド」は素晴らしいファンドである。理念も共感できる。しかしながら「ベストなファンドか?」と問われるとYESと言えなくなってきている。

セゾン投信がこれからも支持され続ける為には信託報酬を下げる必要があると思う。今年信託報酬の値下げを実施したが、その下げ率は微々たるものだった。会社として存続していくための限界にきているのだろう。多数のファンドを擁する大手証券会社のような値下げ合戦ができないとなれば、信託報酬を下げに対応できるよう、ファンドを大きくしなければならないと思う。直販で「ひふみ投信」と運用するレオスが「ひふみプラス」を生みだしネット証券などに販路を広げ、その運用額は3倍を超えている。同じように姉妹ファンドを設定する手はないのだろうか。

NEWS LETTERに「長期積立投資を始めたはずが、あっさり「りかく」に走ってしまう人が増えている状況には、まだまだセゾン投信の発信力不足を痛感」とあるが、少々ずれてるんじゃないと思ってしまう。発信を受け取りじっくり比較したうえでの解約が増えているのではないだろうか。

私にとってセゾン投信は「長期」「積み立て」「低コスト」の3柱を教えてくれた恩人である。その3柱を忠実に守るとセゾンのファンドが投資対象から外れてしまうのは悲しい。

2017/11/9
一部文章を訂正しました。

コメント

  1. セゾンは姉妹ファンドは作ってませんが、すでに直販へよこだわりは捨てて、同じファンドを外で買えるようにしてます。

    参考までに
    http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/shisanunyou/toushin/search/kj_suy_ts_srch_saison_vanguard.html

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  2. >吊ら男さん

    ご指摘ありがとうございます。確かに、ゆうちょなどで買えましたね。文章を訂正しました。

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